和包丁柄の種類と性質!
台風以後、朝晩は幾分過ごしやすくなりました!9月期の特集は和包丁の柄についてです。
P柄、水牛柄、一位柄、黒檀柄などの種類と性質を考えます。
まず包丁の柄について求められる物ですが、一番は仕事しやすい柄(長時間握っても疲れない事etc)です。
柄は包丁の重さや使用目的によって、太さや長さが大方決まっています。昔からの流れがあるのでもしかしたら
もっと良い柄の形があるかも・・・。 (実際ステン系で刃と柄が一体形成の包丁とかもは斬新な形してますから!)
柄のデザインなどは機能性と感性(調理師の好み)などで決めて頂くと良いのですが、材質の問題です。
P(プラスチックです)、水牛、櫟(いちい)、黒檀など素材の特徴に話を進めましょう!
P柄(角がプラスチックの柄 木は朴です。)
比較的価格の低い包丁に付いています。
ホームセンターなどで売られている和包丁は、僕が見た限り100%P柄が付いていました。
特徴は、価格が安い!これに尽きると思います。
但し包丁本体が使用不可能になる前に柄がダメになってしまいます。
(これは朴の木ですが価格が安いランクの木だからです。)
起用な人ならば、柄を買って自分で挿げる人も居ます。
柄の価格ですがホームセンターで9寸柳刃¥240?くらいでした。
朴水牛柄(水牛の角が付いた一般的な柄)
朴水牛柄はおそらく和包丁に一番良く使用されてます。万が付く包丁には付いているハズ!
P柄と同じ朴の木なのですが、木の材料そのものが違います。手触りや見た目からして木の
きめ細かな状態が分かります。
水牛柄に付いている朴の木は心材が使われています。これは包丁の柄としては最適な素材
で包丁の刃と同じくらい長持ちする素材です。
ここで朴の話・・・。
堺では包丁の柄として朴が主流です。
朴は軽くて割れにくく、水に強い。濡れた手で持っても滑らない特徴を持っています。
朴の素材は比較的軟らかいので使う間に手になじんできます。
P柄、朴水牛柄、共にこの特徴を持っています。ではP柄と水牛柄は何が違うのか!
それは朴の材料、心材かそれ以外の部分かなのです。
櫟水牛柄(櫟「いちい」の木を使った柄)
さて朴の性質は理解していただいたでしょうか?次は櫟の木を使った柄です。
櫟の特徴は、朴よりも硬くで水に強い点です。世間一般的に道具として包丁を
購入される方には少し価格が上がりますが購入しやすい金額になると思います。
黒檀柄(黒檀を使用した上品な柄)
そして黒檀柄です。これは包丁の木柄の中で最も硬く、水に強い柄です。
よほどの事が無い限り購入した時の状態を保ちます。(角が丸くなる程度!)
本焼き包丁などのランクの高い包丁に使用されます。
更なる上質感を求める為にこんな黒檀柄もあります。ハッキリ言います高いです!
銀巻き黒檀柄
全ての柄における柄の形(断面)
柄の素材的な話を進めてきましたが、今度は柄の断面の形です。
種類的に3種類が基本となります。
小判型(出刃包丁などに付いてます。青二鋼、白二鋼、安来鋼)
栗型 (柳刃包丁などに付いています。青二鋼、白二鋼、安来鋼)
八角型(上質な包丁に付いています。本焼青二鋼、銀三鋼、etc)
小判型 栗型 八角型 八角型銀巻
上記3点がまず良く見かける柄の形状ですね!その他は、
酔心INOX本焼和包丁などを例に上げますが、櫟六角半丸柄と言うのも
あります。下(包丁の刃側)が丸になってます。
柄の下の部分が八角と違って丸くなってるのが分かりますか?
手が角で痛くなるのを防ぎます。通称INOX柄です(笑)他にないと思います。
さて今回は、包丁の柄の種類と性質を簡単ですが特集してみました。
長持ちする柄は結果的に黒檀になるのですが、一般的な話では無いので
手が届き易い柄となると櫟(いちい)柄になりますね。
朴の柄も大切に使用すれば長持ちします。手にも馴染むわけですから
長く付き合える?包丁に愛情が生まれるかもしれません!
数ある柄ですが、調理師さん本人で実際に握って仕事しやすい道具を
選んで頂く事をお薦めします。 ではまた来月の特集で!!
今、考えている来月の特集は、まな板!です。
PS:今月の特集が遅くなってすみませんでした。
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