なんて寒いのでしょう!大阪でも雪が降って交通マヒする地域も!
琵琶湖の北で雪道の経験があるものの、除雪装置など無い大阪では道は凍りついていました。
さて、2月期の特集は「本刃付詳細」です。今まで研ぎに関して色々取り上げてきましたが、
もっと分かりやすく、皆さんが理解出来る?イメージを持って研ぎを行える図解を加えて掲載します。
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図1 購入時の包丁 |
図2 本刃付後の包丁 |
刃物屋で購入された包丁は、図1の状態です。この状態でも十分切れるように刃付いています。
しかし、もっと切れる包丁にしたい!と思う人が必ず居るハズ。(そう思わない人も居るかな?)
図2は本刃付け後の包丁です。ネットで切れ味感を上手く表現出来ないのが残念なのですが、
図1の包丁よりも数段切れ味が上がっています。
この状態にするには切り刃に残る凹凸を綺麗に取り除きフラットにしてやる事が必要です。
凹凸の話ですが、どんなに上手な刃付け屋さんが研いでも何処かに凹みは存在します。
これが全く無い包丁は職人さんが別料金で本刃付けした包丁を購入するしかありません!
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図3 本刃付け図解表 |
図3で見て頂くと分かるように鋼と軟鉄の境目が余り見えない状態まで研ぎ、歪の無い鏡の状態まで研ぎあげます
切っ先が鏡のようになってるのが分かると思います。切っ先から下は天井が写ってます。
斜が見えるのは光の加減と中砥の後がちょっと残ってるからです。←本当は取った方が綺麗!ちょっと急ぎました。
光るのが嫌やなぁ〜と思う方は中砥を当てると軟鉄が曇って霞になります。←化粧研ぎですね!
霞にしたら切れ味が落ちるかも・・と思いますが、切り込む部分は鋼ですし霞にした方が食材の離れが良いかも!
これは好みですかねぇ〜。僕は光ってる方が好きかな(^^)綺麗に光らすのは大変ですが(^^;
ここまで研ぐと当然刃が薄くなっています。薄くなるイコール欠けやすい!刃がヘタリやすい!これを解消する
のが、糸引き刃です。綺麗に刃先まで一枚にしたのでもったいないですが、最終仕上げで包丁を立てて?
刃先を立てて研ぎます。すると髪の毛一本分の刃が付きます。これを付けるか付けないかで切れる永さが変わり
ます。欠けにくく、良く切れ、その切れ味が永く続く刃付けが完了します。
これよりもっと良い刃付けを知りたい人は下に読み進みましょう!
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図4 本刃付のイメージ図 |
図4は本刃付する包丁を横から見たイメージ図です。
この図の刃付けは最も楽で神経を使わずにシノギ筋任せに研げばOKです。
しか〜し!図の断面包丁では裏を引いていませんが(意味分かりますか?)
実際の包丁は裏が少しくぼんでいます。となると刃先がペラペラになります。
切れ味が長持ちするしない関係なく切れ味だけを追求するとこの図の様に研げばOK
しかし、そんなのじゃ仕事には使用できないし、包丁が欠ける恐怖と戦いながら使用
しなくてはならないし、「なんじゃぁこの包丁!すぐ欠けるやんけ〜(怒)」って事になり
かねないので本場堺的のハマグリ刃を残しつつ本刃付けを施す方法を紹介。
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図5 本刃付イメージ本格派の図 |
図4と何が違うか分かりますか?
研ぐ部分が違います。分かりやすく言えば研ぐ角度が違います。
図4がしのぎ筋から刃先まで一気に研ぎ込んでいるのに対して図5は刃先からしのぎまでの
3分の2しか研ぎ込んでいない!しのぎ筋から3分の1の膨らみは残して研ぎます。
これは非常に難しいと僕は思っています。何故かと言うと包丁の柄を持つ右手の角度を決めない
と包丁が寝てしまう。神経を使いながら研ぐ事が必要になります。
一回この角度をつけてしまったら後は楽かな?この状態で日々研ぎ上げて行くと何時かしのぎ筋
まで来ますよね、この頃が一番良い包丁の状態かもしれません。(先月号参照)
この刃付けのメリットですが、刃先が厚く仕上がると言う事!
図4が100%の切れ味で80%以上の欠け率を持ってるとしたら図5は90%の切れ味で50%以下の
欠け率を持ってるって事でしょうか!
図4が20人前の刺身を引いて切れ止むならば、図5が50人前の刺身を引いて切れ味に違和感を覚える
という解釈です。(上の%とは比例しませんが、イメージです。)
これは意外に知ってる人は少ないかも知れません!ってか知らない方が楽に仕上がりますねぇ(笑)
「これ読んだから研ぎの時に気になるやん!」ってなったらすみません。
でも、より良い状態で包丁を扱って欲しいのと、このページを読んだ人とそうでない人の差?
例えば「アイツの包丁何であんなに長い事切れるんや?同じ研ぎやろ??」っと周囲の人が疑問に
思って「いや〜実は裏ワザなんや♪」なんて具合に優越感に浸って欲しい(笑)
もしも貴方がオヤッサンならば、「包丁研ぐのも見て覚えろ!」なんて具合になってもOKかもです。
教えてもらうよりも自分で「あっ!」って気が付いた方が良いと思いますし、試行錯誤する事でこの研ぎ
の良さや悪さ(神経使うって事)も分かると思います。
26歳の冬、僕は探求心や向上心が無くなったら人間はアカンくなるかもと思っています。
今回の特集ですが、基本的な事を掲載しました。
一度この内容を理解して研いでみて、そこから自分好みの包丁に研ぎを入れる事をお勧めします。
この内容が全てではありません。寿司屋さん、割烹、居酒屋と色々包丁を使用する職種があると
思いますが、それぞれに合った研ぎ、それぞれの人に合った研ぎをマスターして下さい。
PS:今月インフルエンザがピークになるようです、疲労が溜まる立ち仕事をされてる方が多いと思いますが
くれぐれも御自愛下さい。
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