まだ梅雨明けぬ今日この頃です。最近はWebを製作するべく毎日PCの前でカタカタしています。
色々な事に気を取られて、特集更新をすっかり忘れていました。←毎回遅れるじゃんって(笑)
さて今回は、包丁の事もありますが、人間的プロの精神をご紹介しようかと思っています。
どの世界(業種)にもプロと呼ばれる人が居ますが、そう言った方々の情熱を特集します。
銀三鋼物語
酔心のホームページをご覧の方なら、皆さんご存知でしょう銀三鋼のお話です。
一応説明を入れますが、錆に強い素材で良い切れ味を生む優れた刃物鋼材です。
上記の簡単な説明でもご理解頂けるように、銀三鋼は良い素材です。
その素材を海外の研究者が調べに来たらしいのです。
「こんな分子構造の物を作るのに日本人は何故、バカみたいに火に入れて叩いているんだ?私たちは
科学的に同じ分子構造の鋼を造れる!」と言ったらしいのです。
そしてその研究者達が自分の国に帰って同じ分子構造の鋼を作って、包丁にしてみたそうです。
見た目、分子構造が同じ鋼、全てが同じに思えたその包丁は、全くダメな包丁になったそうです。
「なんでだ?同じ分子構造にしたのに!」研究者達が悩んだあげく、日本人がセッセと叩いていた
あの作業が切れる素材、良い包丁を造る要因だと認めたようなのです。
短いですが、これは銀三鋼を打つ職人さんが教えてくれました。
職人さんも「あ〜やっぱり包丁は打たなアカンな」っと心底思ったそうです。
科学や物理で包丁を解明する事は、不可能だと僕は思っています。
解るのは、長さと重さと硬さくらいじゃないでしょうか?硬さも微妙に変化しますから解明出来ないに等しいですね!
マズ同じものが無いのが和包丁です。300mm柳刃と記載していても、実寸は305mmだったりします。
厚みや重さも、ある一定の範囲で上下しますし、全く同じ和包丁があると言う事は機械的に作ったとしか考えられない
手作りだから出来る摩訶不思議な出口の無い迷路のような和包丁の世界!
エライ業界に入ってしまった・・・(笑)っと思っています。
プロとプロの戦い
今年の4月にNY光琳さんの包丁DVD作成の為に、プロデューサーさん、ディレクターさん、カメラマンさん、照明さん
の四人が来られました。メインの鍛冶屋さんはお馴染み「土井敬次郎氏」です。
その撮影で、僕が感じた事を紹介します。 NY光琳さんのDVDは現在最終編集をNYでされています。
撮影スタッフの方々は、日本人でドキュメンタリー撮影などを主にTV局から依頼を受けて番組制作をされている方々
です、言わばその道のプロです。 そのプロの方々が、刃物造りのプロを撮影するという状況を目の当たりにしました。
土井さんは日常通り真剣に包丁造りを行います。自分でも撮影してみて思った事ですが、手造りなので次にドコでどんな
作業をするか検討がつきません。例えば、炉の中に包丁を入れて出すのかな?と思ったらもう一回入れたり、出さないな
と思ったら急に出して叩き出す。取り合えず動きが速いので、次の行動を読みながら撮影しなくてはなりません。
しかも良いアングルで撮影しようと思うと、鉄粉とほこりで汚れた地面に座わり込んで撮影しなくてはなりません。
僕が撮影した時は、火の粉を避ける為に遠くから望遠(ズーム)で撮ったのですが、流石はプロ!地面に座り込み最高の
アングルを求め、火の粉なんてお構いなし?で接近して撮影。土井さんも近くにカメラマンが居るのにも関わらずハンマー
で鍛接!ほど走る火花を浴びながらカメラマンさんは撮影しておられました。 カメラは大丈夫だったのか・・・
本気で撮影するから、本気で包丁を造る。その口では表現できないプロとプロの戦いがありました。
カメラマン、プロデューサーなどと言う言葉を聞くと一見華やかな職業に思えますが、こだわりの精神を持った
職人的職業だと思いました。 そんな戦いの末に出来たDVDは一体どんな物になるのか・・・。
NY−KORINさんが製作されたので、英語のナレーションやテロップが入ると思いますが、日本以上に包丁を
フューチャーした作品になると思っています。 欲しいなぁ〜と思う方はNY−KORINさんに問い合わせて下さい。
ほとんどの方が日本語OKですので、メールも日本語で送ってOKです。
やはり、プロと呼ばれる人間は、凡人に無いコダワリを持った方が多いかもしれません。
「これはだけは譲れない」凡人からすれば「ど〜でもええやん!」と言った事でも、そのプロにとっては重要な事なんです。
料理を造る時にもコダワリありますよね? 高級料理店には滅多に行かないですが、たまに料理店などに行くと「おっ!」
と思う、味付けや盛り付けがある店があります。 よくここまで食べやすく調理したなぁ〜と思う刺身が出てきたりします。
皆さんはどんなコダワリを持っていらっしゃいますか?
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