2009年01月期「カスミッシモのススメ!」
 
今年1回目の特集は、ブログでしつこく?紹介していたカスミッシモの有効性とその簡単な作り方ついての特集です。
ブログでも説明できない事も無かったと思うのですが、特集ページも更新無しだと寂しいので、、、改まって作りました。


カスミッシモの有効性

カスミッシモ(造語W)とは、切刃部分に霞状態を残しつつ研ぎ上げる事です。
これを作る意味は、切った後の貼り付き抵抗防止です。どんなに切れる刃先を作っても、切った物が張り付いて
抵抗になると、その鋭い切れ味の能力を十分に発揮できません! これを少しでも軽減させる方法としてカスミを
残しつつ研ぎ上げる方法が良いと考えています。

切った物が張り付いて。。とありますが、これを切刃で構造的に考えるとハマグリ刃と言う方法もあります。
ハマグリ刃も有効ですが、ハマグリ刃に+αでカスミッシモにすればより一層軽減されると思います。
また、ハマグリ以外の直刃でも貼り付き防止として、このカスミッシモは有効かも知れません。
直刃に関しては、まだまだ知識が足りず、これから実験体感してゆく事と思いますので、ここでは机上の想像で
話を進めさせて行こうと思います。 直刃に関しての成り行きはブログでお楽しみください(笑)
 
カスミ庖丁でのカスミッシモ 本焼庖丁でのカスミッシモ

 
本焼庖丁の方が、カスミにくいと言えます。刃先から数ミリだけ仕上砥を当てました。
 

★カスミッシモの作り方

さて作り方です。たいそうな事言ってましたが、極めて簡単な事でして・・・。

この話をする前に前書きデス。
ハマグリ刃がついている包丁の方が、カスミッシモは作りやすいし、柄を持つ右手の角度を保持しやすいです。
直刃に近くなると、角度の調節でカスミとの境目を作りにくくなっていきます。


中砥石でシノギ筋から刃先までを研ぎます。
するとこんな風になるハズ!

写真は「酔心疾風」の部分を重点的に研いだ物
刃元近くは前の研ぎが残ってマス。。
普通なら仕上砥も同じように研いで行きます!

 

これを

 

庖丁と砥石の角度を縦気味で研いでいきます。
刃先(表の鋼部分)を研ぎたいので、刃先の裏を
しっかり押さえて研ぎます。
するとこうなります。

厳密には、このように研ぎ易いです。

 
図で説明しますと。。。
砥石に対して45°は@の面で研げる!

砥石に対して平行になるとAの面で研げます! (右手の角度によって調整します。)

@で研ぎながら柄を持つ手で角度を操作しながら刃先(鋼)のみ当てる事も出来ますが、
角度の維持が難しかったりするのでAで研ぐ事によって、カスミを壊す事なく研ぎ上げる事が出来ます。
 


@で、失敗するとこんな風にカスミへ仕上砥石の研ぎ目が入る事があります。
「まっ・・」問題ないと思うのですが・・・。 やはり、@の面で研ぐと押す時に力が入り右手の角度が変わり易く
なってしまいます。 Aの面だと押す時に力が入っても、研いでいる部分の少し先が研げる感じになるので
カスミが残し易いと思います。

また、直刃の場合でも、この縦研気味にする事で、直刃を維持しながらカスミを作る事が出来ます。
実際に、刃付け職人さんが直刃気味で、カスミッシモを作っていました。

糸引刃が付いていますが、刃の構造自体は直刃気味で、刃先数ミリは光っています。

厳密に言えば、切る部分だけ仕上砥石を当ててるように思います。

 
INOX本焼和庖丁でも、こんなカスミッシモを!
 
注)仕上砥石での縦研ぎをやり過ぎると、刃先が丸くなって丸刃になってしまいます。
  これを防ぐために、中砥石でしっかし下地を作ってから、行ってください。

  慣れてくれば、砥石の当て角度45°@面でも挑戦して下さい!
 
 
 
何だか色々と勿体つけて、更新が遅れてこんなもんか・・・・と思われそうですが、
霞を残して研いでみたり、これで角度の感覚を掴めたり出来たらいいなぁ〜っと思います。

綺麗に仕上がったら快感です! 庖丁への愛着も沸くのではないかと思います。
一度、お試しください。


口下手ですが、ビデオを撮ったので見てください13分程あります。 
中砥石の有効利用法?、綺麗な霞を作る!も入ってます。
ちょっと大きいファイルになりました(^^;  
こちらから!現在停止中

 

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