あづ〜い(><)ですね。 夜は少しだけ涼しく感じられますが、日中はまだまだ暑い!
さて久しぶりの特集は、包丁研ぎに必要な砥石使いのお話です。
どんな事でも、ちょっとした工夫で劇的に変化したりするように感じています。
万人に有効な方法とも言えませんが、気になる方は試して頂ければと思います。
「砥石を斜めに使う理由」
研ぎ職人さん達は小砥石(角砥石)を使う時、前斜めにして使用しています。
これは、砥石の泥を適度に流す作用と、砥石を効率良く使うための工夫です。
(特に何も考えていなくて、親方のしていた通りしてマス!って言う場合も有ります・・。)
研ぐ力が前傾へ向かうようにする為で砥石の減りをコントロールさせる事が出来ます。
この事を知っている調理師さんは、少しだけでも手前を高くして研ぎをされています。
皆さんが研がれる場所としては、調理場や台所、自作の研ぎ台の上で研ぐと思います。
そうなると、立った状態で研ぐ事が多く、砥石の上に覆いかぶさるような体勢になります。
または、手前斜め45°から見下ろす形で研がれる方も居られるかも知れません。
(座って研ぐ場合は、そのような形になります。)
その時、砥石に対して研ぐ力の作用点?力点?が、どこにあるのかを注意する事が大切です。
研ぐ力の最も強い場所が、砥石の良く減る場所です。
砥石が中ほどで反る理由はココにあって、もっとも強い力が加わる場所を変えれば凹む位置
が変わり、砥石を最後まで有効に使うことが出来ます。
言葉では良く解らない部分も多いと思うので、写真と図解にて解説しましょう!!
◆図解での説明◆

中砥石で多い反り方です。
このように砥石が変形するには下記のような力配分で研いでいると思います。

矢印の長さ大きさで力加減を想像して下さい。

手前を少し上げる事によって力配分の具合が変わります。
さすがに若干反りますが、減り方が変わります。
*僅かな反りだと、面直しも非常に簡単で苦になりません!
砥石が斜めに減りだした所で、クルっと回転させて↓の図のように研ぎをします。

シーソーのように行ったり来たりで、砥石を効率良く減らす事が出来ますし、直刃派の方には
絶対お薦めの砥石使いだと思います。

このように減った砥石で直刃を目指しても、この反りが切り刃に影響してハマグリ刃になってしまいます。
言い換えれば、こんな砥石で研げば誰でもハマグリにする事が出来るとも言えます(^^;
実際の写真で見てみましょう!

薄くなってしまいましたが、仕上砥石の減り具合です。

こんな感じに薄くなってきたら!

クルっと回して使います。

手前は研ぎ台に付けた角材で1cmほどしか上げていませんが、効果はあります。

中砥石の場合もこのように減ります。

クルっと回して使い続ける事が出来ますが!!!!
砥石が台付で無い場合、薄くなった時に割れるかも知れませんね・・・。(いや割れます。)
写真の研ぎ板(下駄を付けた台)で手前を上げた方が良いです。。
この方法で、絶対に反らない事はありません!写真の中砥も反り初めていますね(^^;
若干の反りは生まれますが、それは平面に置いて研ぐ時とは歴然に減り方が違います。
*良い研ぎを行う為には、面直しが絶対に必要です!
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で! そんな事しなくても、真ん中だけ減って反る事は無い!!っと言われる方が居ると思います。
その方は研ぐ時の姿勢や立ち位置、力加減で調整できる方なので、このような事をしなくて良いと思います。
これが出来る人は研ぎが上手い?と言うか器用?観察力がある?のかも知れません。
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真ん中だけ反ってしまう! 面直しめんどくさい! 砥石が減ってもったいない! 直刃命!
っと言う方にお薦めしたい方法です。。
刃研ぎ職人さんは、研ぎ台にもっと角度をつけて研いでいます。
45°斜め??は言い過ぎかも・・・ですが、結構な角度です。
極端な角度は慣れていない場合、砥石面から包丁が外れて危険ですし、逆に研ぎ辛くなってしまいます。
最初は、かまぼこ板を砥石の手前にか・ま・す程度の角度で始めてみてはいかがでしょうか?
新しい砥石を購入した時から始めるのが良いかも知れません!
くれぐれも怪我をしないように、お試し下さい。
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