1. HOME
  2. 日々修行
  3. 日々修行
  4. カスミちゃん

カスミちゃん

今日は、カスミの包丁を本刃付けしました。

いや~~ 本カスミの偉大さを感じた今日の研ぎでした。

肉厚であって欲しい所が研ぎ抜けていたり、残ってほしい所が抜けていたり。。
コレを均一に合わせるのが結構大変!

無理に取りに行くと形が変わる事は、いくつもの苦い経験から実証済み。。
腫れ物に触るように、研ぎ出しました。

カスミといえど、裏スキはしっかりしているので、シノギから直刃にするのは
簡単なんですが、ちょいハマグリ、切っ先カーブを残して~っと思うと時間が
掛かりました。

こんな時、研げない砥石は便利です(笑)ワンテンポ遅れて研げる感じなので
ある意味、こちらが主導権を握った研ぎが出来ます。
でも単に研ぎ出すだけなら、早い方が絶対ステキ!

明日は、同じ出刃包丁を研ぐ予定ですが、こちらもちょっと楽しませてくれそうな
雰囲気のある包丁です。 ここで、しっかり合わせて置けばお客さんは、かなり
楽に今後の研ぎが出来ると思う。

本カスミちゃんが、少々割高な理由を感じました。

包丁の本質は、鍛冶屋さんが! その後の使い易さや研ぎ易さは刃付屋さんの
仕事(技術)ですね! 基礎がしっかりしてたら、後が楽チンだと思います。

  • 2011-02-16

値段は正直ですね

霞・本霞という言葉すら知らずに、刃物屋で包丁を売っていました。ヘナチョコ店員というやつです。
4つのランクの合わせの和包丁を扱っていて、安いものと高いものの違いは、鋼材の違い以外に

①反り (下の2ランクは反りの有るものが大半、砥石が平らでも・・・ですね)
②裏すき(ダメだと、裏押しが広くなったり狭くなったりで波打ってます)
③糸引き刃 (安いものほど洋包丁かと思うくらいの2段刃。高くなるほど小さく幅も一定→ええ刃が直ぐつきまっせ)
④裏押し (一番上のランクの包丁は、さすが!と言いたくなるぐらいに糸裏で綺麗)

でした。

>肉厚であって欲しい所が研ぎ抜けていたり、残ってほしい所が抜けていたり

切刃に凹凸がなくて、刃付けがし易いということだと知識としては知っていましたが、上のランクの包丁を刃付けする機会に恵まれなかったので、違いを実感したことは無かったです。

予算もあるし、素人にはこれで十分?、見習い料理人の1丁目の包丁は研ぎの練習用、などと適当な理由で自分を納得させて、これも商売と下のランクの包丁を売りまくってましたが、買っていただいたお客が皆んな満足してくれたのかなぁ、とこの記事を見て刃物業界にいた時のことを思い出しました。

ネットで包丁販売のサイトを見てみても、値段の違いは材料の違いみたいな説明が多く、霞と本霞の違いを詳しく説明した記事は見かけませんね。
お客が自分で研げば刃付けの違いは直ぐに判るんでしょうが、売る時(つまり使う前)に言葉で説明するのは難しいのか、それとも霞が売れなくなると困る業界のタブー?は健在みたいなものなのでしょうか。
長文で失礼しました。

  • 2011-02-17(16:44) : 
  • trekker URL :

カスミの役割って?

記事の内容にそぐわないコメントでしたので、補足を。

大半の車メーカーがエントリー・モデルを用意しているように、和包丁の入門用としての「霞研ぎ」はありだと思っています。手ごろな価格の製品をラインアップに加えて、和包丁の切れ味の良さを多くの人に体験してもらおうという考え方には賛成ですよ。
また、エントリー・モデルを買った全ての人が、次の車を買う時にそのメーカーの主力車にステップ・アップするとは限らないように、使う人が満足しているのであれば「霞」を使い続けるのが賢い選択でしょう。メーカーさんや販売店は思惑が外れて、ガッカリ?かもしれませんが(笑)

お客さんが安いから仕方ないか~と不満を抱かないように、エントリー・モデルに一手間加えて出荷する酔心さんの姿勢が、私がこのブログをよく拝見する理由かもしれませんね。

  • 2011-02-18(22:03) : 
  • trekker URL : 

Re: 値段は正直ですね

コメントありがとうございます。

ほんと、値段は正直です。
一般的には、様々な包丁と一度に使う、研ぐ、比較する事が難しいので、
個々の違いは解りにくいかも知れませんが、僕は色々と比較できる環境
にあるので、感じた事をブログに記載しています。

やっぱり良い物(値段が高い)は、良く考えて造られていますし研がれています。

原材料は同じでも、造る人が違うとこんなにも??っと思うぐらいの差が出ます。
主に、技術や加工料金が包丁価格に反映しています。

包丁は表面的な事でしか判断しにくいので、難しいジャンルではありますが、
使うと解りますし、研ぎによる形の崩れも、職人の基礎な研ぎ込み部分で、
かなり軽減されると感じています。(お客さんの研ぎ方にも影響されますが、、)

そんな中でも、やはり霞研ぎの包丁も必要です。
予算の問題もありますし、料理勉強中の見習いの方にも、お勧めするシリーズです。
包丁の事(手入れや研ぎ)が色々解ってきて、本霞を購入する方が、本霞を生かした
使い方が出来るようにも思っています。

個人的には、お客さんが納得して、霞研ぎを購入されるならば良いと思います。
でも、ちゃんとメリットとデメリットを説明出来る男で居たいと思います(笑)
そこで、「それはヤダ!」っとなった時に本霞を奨めるべきかも!

研ぎの悩みも、霞から本霞に変えるだけで解決する事もあるように感じます。

  • 2011-02-19(15:33) : 
  • TATSUYA AOKI URL : 

Re: カスミの役割って?

コメントありがとうございます。

そうですね! 和包丁は、本当に日本特有の物なので、多くの方に使って欲しいです。
車なら、いくらでも良い性能の車はありますが、走れば良い!!と言う方に、レクサス
を奨めるわけにも行かないですし、お客さんが満足、納得して使用されれば良いと思ってます。

皆さん、環境が違うので、それに合ったシリーズが”良い包丁”と言う考え方もあります。

今回の研ぎは、お客さんから本刃付けを依頼されての事でしたが、とても良い勉強になりました。
霞を研いでいる職人さんに本霞のクオリティーを同じ工賃で求める事が出来ませんが、
「こんな風にして欲しいなぁ~」っと爽やかに言う事が出来ますので、少しずつ改良していける
と良いと思っています。

アレとアレがしっかりした霞なら、時間が掛かってもちゃんと刃付けができます!

  • 2011-02-19(15:42) : 
  • TATSUYA AOKI

関連記事