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出刃研ぎ修理!

今日は、HEAD&Tail様にてお買い上げ頂いたお客様の出刃包丁を研ぎ修理&柄交換を行いました。

180mm出刃INOX本焼が今日のお相手です!

綺麗な切っ先アールを砥ぐ方法を、良く聞かれます。
口頭で説明しておりますが、、今日はスマホ片手に研ぎ修理を撮影しましたので写真を加えて!

いきなりですが、砥ぐ前の写真は無いのですww
出刃ならではの小さな欠けを砥ぎ取ってから、切れ刃を砥ぐ前の写真からデス。

見て頂いて解るように、切れ刃の中に研ぎの段々が見えます。
これは、切っ先アールの大きい出刃包丁である事、ハマグリ刃を形成しようとしている
事も重なってミラーボールのように段々が出来ています。
この状態は正常で、ハマグリ刃をしない場合でも、切っ先アールを維持しようとする時点で
必ず現れます。もしも、段が無い状態になった場合は、アールの無い三角形の出刃になっているハズ!

この段の間隔が細かければ細かい程、美しい切れ刃を研ぎ出せます。
”美しい切れ刃が必要か不要かは別の話で。。”

段の山を崩して、細かい段を作って行きます。
砥石は#3000鋼材限定解除砥石を使っています!

この辺りは、一心不乱に砥いで行きます。
細かく刻む為に、砥げ過ぎると困るので#4000仕上砥石でまったり整えます。

一心不乱に砥いでいたら、写真を撮り忘れてしまった・・・。
#6000INOX専用仕上砥石で、更に整えて~~

#10000仕上砥石で艶出し的な・・・。
この時、ノリノリでローリング研ぎをしていきます!
砥ぐと言うよりも磨いている感覚ですww

切れ刃に風景を映してハマグリ刃具合を。。。
これくらいの緩いハマグリ刃だと、叩いても欠けに強く、切れ抜けも良く、三枚卸などを
やり易い切れ刃の状態と想像しています。

HEAD&Tailさんのお客様と言う事で、デカイ魚を捌く事を加味して強度重視!!

新しい柄を取り付けて完了です。

写真を見て解る人は解ると思いますが、そんな切れ刃構造です。
何処で叩いて、何処で切り開くのか!
出刃包丁に限ってはアレコレと切れ刃構造を変えていくと、出刃として色々な用途に
使える道具として愛用頂けると思います!

  • 2019-08-06

No title

素晴らしい出刃になりましたね。これぞプロの仕事です。

ところで、

> 美しい切れ刃が必要か不要かは別の話

というのは、確かにその通りかもしれませんが、切刃の刃面と裏押しの平面の交線が刃先になるので、刃面が美しくなめらかであることは結局のところ刃線がなめらかであることに直結すると思われます。蛤にしないベタ刃で研ぐとその相関関係がより濃く表れると思います。

つまり、刃面の段々の程度には刃線の段々が生じていると考えるべきで、この乱れは、刃先の状態としてはかなり影響の濃いものであると考えます。

したがって、美しい切れ刃は切れ味に直結するといえるのではないでしょうか。
これは実際にその出刃での研ぎ前と研ぎ後を比べてみれば検証できるように思います。

ローリング研ぎのところ、蛤にしないバージョンを公開していただけると出刃研ぎに悩む人の参考になるかもしれません。

  • 2019-11-11(19:53) : 
  • 田中 URL : 

Re: No title

田中様

コメントありがとうございます。

そうですね、ハマグリ無しでベタっと当てれば、裏の比が大きく影響してくると思います。
片刃の場合、裏の比(裏刃)の具合が刃線に大きく影響すると考えています。

ハマグリ刃にしないベタ研ぎで厳密に出刃を砥ぐとサバキ東のような三角形の刃に
なってきます。切っ先アールを残すとなれば、多少のホワっと感は必要かも知れません。

この記事ぐらいが、使用を考えた場合ちょうど良い頃合いかも知れません。

  • 2019-11-13(18:29) : 
  • TATSUYA AOKI URL :

No title

ご返信ありがとうございます。
ご案内の記事の方の仕上がり、なかなか素敵ですね。

ところで、蛤にしない場合に三角形になる(つまり刃先が直線にしかならないという意味?)というのは、そうなんでしょうか。
切先のアールを三角錐を2つの平面で切り出した立体のように理解すれば、切り刃及び刃線にきれいなアールを持たせつつも、鎬線から刃線に直角に交わる線でおろした母線は直線になりうるのではないでしょうか。

いわゆる蛤刃とは、刃先と鎬の間に定規を当てた時に同時に両方には当たらないような形になろうかと思いますが、面を研ぎだす技術としては、まずは鎬と刃先の間の直線がベタっと当たるような下地を作ることも可能なのではないかと思います。

これを最終的に目指す切先やアール部分で刃線に直角に丁寧に面を作ると、多角形の角錐台の形になりますので、鎬と刃先を結ぶ線は直線を維持できると思います。
(ここで、どこかの研ぎ角度の時に斜めになるようだと、直線にならない部分ができてしまうので、後でなめらかにする工程で苦労します。)
あとは、これを滑らかにつなぐように研いであげれば、蛤になるよう要素はなく、単純に段々だけを消していけるのではないかと思います。
結果、裏押しが平面の片刃であれば、そこで作った曲面のアールと刃先のアールは完全一致するというのは数学的には明らかで、となれば、曲面のアールの仕上がりが、刃先のアールの完成度に直結し、すなわち曲面のアールの仕上がりは、切れ味にも直結するのではないかと思います。

私の場合、その後に必要に応じて蛤となるように刃先を合わせています。

なんとなくですが、ご案内いただいた記事の方の仕上がりは、刃線、切刃の両方ともとても滑らかで、鎬線から刃線まで直線的に鋭く研ぎあがっているようにお見受けしました。なので、それに近い作業をされているのではないかなぁと思うのですが違いますでしょうか。

長文失礼しました・・

  • 2019-11-13(20:33) : 
  • 田中

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