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刃付屋違い

同じ鍛冶屋さんで、違う刃研屋さんが研いだ庖丁の小刃合わせをしました。

共に新品の庖丁で、酔心と他メーカーの庖丁です。
中子とマチの具合から同じ鍛冶屋さんが打った物と判断

*小刃合わせとは、極小糸引の入れ直しと裏押しの作業です。
そのままでも十分切れる状態なのですが、気のモノと思い砥石に当てています。

それぞれに意図が見れるシノギ筋の立て方と切刃の幅!

しかし!!大きな違いは、裏押しにありました。

酔心のは本霞で、堺でも工賃の高いと言われる職人さんに研いでもらってます。
他メーカーのは当然誰が研いだのかは解りません。

裏押しの理想は、裏刃を研ぎに行った時、刃が均等な幅で研げる事!!
手前味噌ですが、酔心のはバチっと当たる。。

もう一方のは、当たる所と明らかに当たらない所が・・・・。
当たらない所を無理に砥石に当てに行くと、他が当たり過ぎる。
切っ先アールの部分は、全く当たる気配も無く。

牛刀みたいに裏も角度付けたら当たると思うんです。
それか当たらない所が当たるまで押し込んでしまうか!!

結局、ギリギリの頃合いで折り合いを付けましたが、この庖丁を研ぎ
続けると、多分こうなるだろう~っと想像しながら箱にそっと仕舞いました。

お客さんから預かった庖丁だし、何も悪い事して無いとは言え、どこか心苦しい。。
触らなければ良かったと思ってみたり、でも良く切れる状態にはなったし。。。

庖丁屋的には、庖丁の生まれは鍛冶屋。 育ちは刃付屋なのかも!

  • 2011-06-23

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