白一鋼本霞+本刃付け
今年の春頃にお求め頂きました240mm鎌型薄刃白一鋼の本刃付けをご依頼いただきました。
NYへ出る前にお預かりした事もあって、お時間を頂いてしまいました。
お待たせしてすみません。
FaceBookをご覧の方はご存知かと思いますが、今回のNYへは池田さんも同行しまして、
寝ている時間以外、殆ど一緒に行動していました。
庖丁の話も濃厚にしまして、その話を思い出しつつの本刃付けとなりました。
NY-KORINさんの前で夜中から並ばれた若いシェフ達との一枚デス!
今回の庖丁は、池田作/山口砥ぎの逸品です。
大きな鎌型薄刃で作るのも、砥ぎ構造を作るのも大変な庖丁だったと想像しています。
お買い上げ後、使う事なく保管されていたようです。
それでも時々眺めていたそうで、切刃に小さい錆びが点々っとあります。
これは砥いで行くと消えるので、問題なしです!
裏も、出荷前に刃を合わせたままの状態でした。
まな板コンタクト系(打ち物寄りの使用)では無いとの事でしたので、攻める方向で本刃付けを行いました。 刃先側から砥ぎ抜いていく方法です。
切刃にコシがある間に刃先を造っていくと砥石に対して強く当てられます。
ダイア#325
ダイア#500
仕上げ砥石#3000(新製品)
INOX専用仕上げ#6000
上記の順番で砥ぎを進めました。
刃元周辺の砥ぎ跡は、いつか届くので残してあります。
白一鋼は硬いイメージがありますが、程よい粘りの上に鋭さが出ている庖丁です。
NY渡航・滞在中に伺った、池田さんが狙っている庖丁作りが、そのまま反映されていると感じました。
裏押し刃付けも、少しだけ広げて刃がシャキっとするように支えてみました。
細い方が鋭く切れ込みますが、カツラ剥などで薄く拾っていくような使い方には、
こちらが向いているのかも知れないと感じています。
好みが分かれるので、お客様からの感想待ちです。
思い通りの刃通り、掛かりが出て居れば良いのですが。。。
こちらの庖丁に続いて、疾風の鎌形薄刃のオーダーも頂きました。
疾風は土井逸夫作になります。
既に生地が上がっていて、これから刃砥ぎに進みます。
土井さんにも、10月のヨーロッパ出張の時に同行して頂きました。
もちろん、常に一緒に居ましたので、濃厚な庖丁談義をした次第です。
あれこれ話した後で作られた庖丁なので、仕上がりがかなり楽しみです。
写真はストックホルムのお店にて!
10月はロンドン、パリ、ストックホルムを10日間で回りました。
KORIN(ニューヨーク)、JKC(ロンドン、パリ、ストックホルム)各店舗には優れた庖丁砥ぎ師が居て、修理やメンテナンスをしていました。
庖丁販売するには、必ず良い砥ぎ師が必須です!
KORINさんでは、細々とした裏技を!
JKCさんでは、効率の良い砥石や砥ぎ方を伝達してきました。
早く綺麗に、良い刃付けが出来れば、砥ぐ方も、砥いでもらう方もHAPPYだと思う^^
- 2019-11-16