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牛刀の研ぎ

今日は、昼前の少ない時間を使って牛刀を研ぎました。

家庭使用の為、写真のように切れない刃になって預かりました。

この状態になる前に、仕上砥石を当てると中砥石を使わなくてもOKなんですが
切れなくなるまで使うのは一般的ユーザーでございまして・・・。

ココまで刃が白くなる(白く光る)と中砥石でチョイチョイっと研ぐ必要が出てきます。
もちろん中砥石の方が研削力があるのと、刃の再生を行うので庖丁が減ります!

注:仕上砥石でも戻せますが、時間が掛かります。潔く中砥でやった方が良いデス。。

刃先は鋭角にしたので、白くなっていません!
白っぽく見えるのは糸引き。。

硬度の低い洋庖丁に糸引きの効果は絶大で、硬度が増したような効果を得る事
が出来ます。 (厳密に硬度は同じですが、構造上強くなる感覚。)

また、糸引きを上手に入れる事で、糸引いた部分だけのダメージで止まる事も
多く、次の研ぎは糸引を再生するだけでOKな場合があります。
欠けたりしたらOUTですが・・・。

今回は、800番中砥 6000番仕上砥 の2つで研ぎました。
800の目を6000で均す感じに研いだので食いつきは抜群です。
庖丁も180㎜なので引っ掛けてザックリ切る方が良く切れるかと。。。
遊び無く切れる感じですね! 

今日は、そんな家庭使用向けの研ぎでした。。

  • 2010-04-23

勉強になります

 例の改造研ぎ以来、今回の記事はぜひ多くの料理人に知って頂きたい事柄に満ちていると思いました。砥石の番手にあえて開きを与える事、糸引き刃の重要性、この2点だけでも実践的な研ぎの本質を突いていると納得が行きますね。それにしても、この庖丁の持ち主の方、食材の潰れが気にならなかったんでしょうかねえ。きっと今頃、あまりの切れ味の良さにびっくり仰天なさっていらっしゃる事でしょうねえ。

 昨日は、青二鋼に関して半可通な事を述べまして、大変反省しております。ここで告白しますと、私、「白派」です。
 青は白ほど薄く研がなくとも、それなりに切れっだろっ、という鋼の科学と真っ向勝負を挑んでいるかのような私的偏見に拠るものです。
 ふり返って見れば、自分の庖丁コレクションには、白一の水本焼きはあっても青のそれはありません。白二の本焼きは青二のそれより数が圧倒的に多い。なぜかと言いますと、青二は霞で充分だろうと言う庖丁との出会いがあったからです。銘は堺孝行、本鍛錬の霞。霞にしては値段が高かったけれども、なぜか、グッと来るものがあって衝動買いしたものです。これ、自分の体にジャストフィットしました。板前としては、私は体格のよい部類に入ります。靴のサイズが28cmで、この大きさのおかげで靴にはずいぶん苦労させられました。話を元に戻しますと、この庖丁、へたな本焼きよりもいい刃が付くんですよ。何より研ぎやすいし。もしかして、これ、土井敬次郎先生の打たれたもの?
 それとね、私の板前として育った環境が、白一色のまさに白銀の世界でした。若い頃の親方、二番手の向こう板、煮方の先輩、包丁屋さんの親父さんまで、白、白、しろ、がおすすめ包丁…………他の店の連中も全くおんなじ………

 何なんでしょうかね、今はそうでもないかと思うんですが、個人的感想としては、白鋼ありがたや教は関東に根強いんじゃないかなと感じています。

 乱筆乱文失礼しました。また、寄らせて下さい。
 


Re: 勉強になります

研ぎに関して全てが正解では無いと思うのですが、アレコレやって試行錯誤する
事で見えてくる事も沢山ありそうです! 自分が感じた事を伝えたいので砥石
番手もオープンに! 勘の良い方なら番手を聞くだけで見えてくるかもです!

この包丁の持ち主さん、切り辛くなってきたので研ぎに出したように思います!
家庭用の包丁は90%ぐらい、こんな状態で来ます。。使えるまで使うんですね~。
良く切れると伝えて渡さないと危ないかも知れません!

白鋼青鋼
そうですね、白鋼系の方が良く切れますし、基本的には刃物鋼としては白がメインです。
結局は白が基準なので、集約すると白鋼系に落ち着くかも知れません!
利便性を求める付加価値として青二鋼が存在するのが本当の所だと思います。
鍛冶屋の技術は白でキマルんです! 白が完璧に焼けるのが鍛冶屋の基本らしいです。

堺孝行の良いお値段の物だと、土井さん作の物で間違い無いと思います。
感じられたように、下手な本焼よりも良い刃が付く事で解るように、土井さん曰く

「包丁は研いで使う物、研ぎ易くて、良く切れる包丁が良いと思う。」
「きっちり作れば、しっかり切れるし、切るのは鋼なんだから・・・。」

っと言う事が言葉通りに証明されてるように思います。

ちゃんと作れば!霞でも本焼同等に良い刃が付く。。

青鋼水本焼が最高峰と言われていますが、芯を探れば白に落ち着くのかもです。

補足:青鋼には青鋼の魅力と性能があるので、特性を知って使う方が良いかと!


色々ご教授頂いて、本当にありがとうございます

 「霞でも、ちゃんと打てば本焼きに負けない包丁になる。」
 
 本当にその通りだと思います。私のこの包丁、購入したのは今から二十年以上も前のものですが、今でも現役です。これが土井先生の作品ならば、ぜひ、お伝えしてもらいたい事があります。霞特有の経年劣化?による、アゴ元付近の内側のまくれがありません。少なくとも、私の怪しげかも知れない包丁の目利きで見ても、砥石のりの悪い切り刃はありません。青木さんならおわかりかと思いますが、これはもの凄いことです。お話を伺って、背筋が震えるような感動を味わっております。


Re: 色々ご教授頂いて、本当にありがとうございます

コメントありがとうございます。

まさしく土井さんの包丁ですね!
鍛造の技術だけではなく、他の面に置いても手が掛かっていると思います。
この点は物作り、料理作りにも同じような事が言えるかも知れません。。。

地金が適度に柔らかく?鋼が硬く砥石乗りが良い事。
硬い鋼が砥石乗り良いってのが矛盾なんですが・・・。
これが伝統の技術なのかも知れませんね。。あの工程をするから生まれる現象かもデス。。

大切にご使用頂ければと思います。
*土井さんは実践でバンバン使ってもらう事を喜びます!!

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