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3日連続本刃漬け。。

お漬け物のようなタイトルです。。

あらゆる種類の庖丁を3日間連続で本刃付けしました。

使って頂く状況や、用途などを想定しながらの研ぎですが、
かなり有意義な時を過ごす事が出来ました。

合計5本の本刃付け、4本は鋼材が違う柳刃、1本はINOX出刃。

銀三鋼と白二鋼の柳刃

研ぎ上げてる職人も違うので、それぞれの研ぎ構造の特徴を感じながら
本刃付けしました。 研ぎ易い物もあれば、テクニックが必要な物も!
研ぐ事を考えて研ぎ上げた庖丁なのか? 使う事を一番に考えて研ぎ
上げた庖丁なのか? そんな事が良く感じられました。

使う事を一番に考えた庖丁ほど、研ぐのが難しく、平面で研ぐ理論から
外れていて、研ぎ手が工夫しないと形状維持出来ない。
↑この研ぎを動画で説明しようとしています。↑

きっと、事情を説明すれば、誰でも理解が出来ると思うのですが、その説明を
するのが難しい。。。 文章だけじゃ???が並ぶカモ。

研ぐ事を考えて研ぎ上げた庖丁は、形状が変わりにくく、狙った部分を研ぐ事が
出来るようにも感じました。知らない間に、別の所が研げてしまった(><)っと
言う事が無い感じでしょうか・・・。本刃付けする事を前提にしているように思う。

最近は、切れ味(砥石と庖丁の相性)よりも、庖丁の抜け(通り)が気になっていて、
本刃付けした庖丁で、試しに発泡スチロールを薄造りしています。

発泡スチロールは、硬くかなり弾き返してきますが、切り刃の構造を感じる事が
できます。切り刃の幅、厚み、角度によって抜けが全然違うので、目で見えない
抜けを感じる事が出来ます。

庖丁研ぎは、切れ味よりも切れ抜け作りの方が奥が深い。

こりゃ~エエわ~~ って思う切れ味+抜け感覚が出た時は、庖丁が抵抗無く
抜けてきます。 切る角度によって、操作出来ると思うんですが、そういう以前に
歴然とした違いが出てくるのは確かな所です。

切っ先に向かって切れ味が駆け抜けるように抜けてきます。

刃をしっかり保って、刃を極端に薄くする事無く抜ける強い刃に!
↑歯磨き粉の宣伝みたい(笑)↑

この事は、ハッキリ掴めて居ないので数年後にゆっくりと。。。

研ぎに関するテクニックは、ちゃんと自分でまとめて、動画と文章でお伝え出来ればと思います。

刃付け途中の画像ですが、ハマグリを切っ先カーブに作ろうとすると、写真みたいに
段々の研ぎ目が出来ます。 これを綺麗に繋いで一枚にします。この研ぎ繋ぐ時に
ローリング研ぎ?しながら研ぐ事になります。

直刃の方には有り得ない~~ ローリングです。。

本文とあんまし関係ないけど、、写真撮ったので追記で載せてみました。

ちなみに、、刃先を段刃にしているのは、真鯛を捌きたいので強靱な対策を・・・。
捌く腕に合わせて、研ぎも合わせていかないと~~  その前に魚を釣らないと(笑)

  • 2010-04-08

ご参考になれば良いのですが

 それは、間違っていないと思います。
御存知かどうか、とは思いますが、私の若い頃は、先輩たちはみんな新しい、買ったばかりの包丁の切っ先から一寸ばかりのしのぎを上げていました。まず、確実に抜けを良くしておかないと、包丁の持ちが違って来たからだと思います。
 それと、仕上げ砥で研ぎ上げた包丁が、爪で滑るのは、別に恥でも研ぎ下手でもありませんでした。むしろ、食い付きのいい研ぎは、素人研ぎとして馬鹿にされました。
なぜなら、これもお分かりかとは思いますが、そんな研ぎではすぐに切れ止みますし、造りの断面が荒いからです。もちろん、これはべた研ぎ、直刃絶対主義全盛の時代の話です。(今も、まだそうなんでしょうが……)
 造りは肩で引くと昔から言われております。一見、つるつるに滑るかのような包丁が、指、手首、肘、肩の連携で、あたかも自身の人さし指から包丁が生えて自在に操作できるかのような感覚が生まれると、切った造り身の断面がちりちりに縮れたような感じになります。
これが細胞膜を壊さずに刺身を引いたということです。
同じことを青柳の小山さんが御著書で述べられていますね。ちなみに、そのように引いた造りは、もちろん魚の熟成度合いに拠っても違いますが、味が別物の旨さになるのは間違いありません。そのためにも、包丁の抜けは昔から結構重要な要素だったと、あくまで個人的な経験からの感想ですが、お伝えしておきます。


コメントありがとうございます。

プロフェッショナルなご意見だと思います。
切れ抜けの話しも、刃の作り方にしてもそう思います。

刃物に関して全く何も知らない頃に、青柳の小山さんの事は読みました。
「あ~こんな人がそう言うなら、その研ぎが抜群だろう~!」っと思って
試行錯誤して実践してみたら、どんでん返しを食らいまして。。。、

その研ぎは、庖丁を使う人の腕や技術や観念によって変化するのかと
今になってそう感じています。 
調理師さんの目指す所が違うと「なんじゃこりゃ?」っと・・・。

僕は滑った刃付けで超馬鹿にされました(><)
爪に掛からないと話しにならん!!ってな感じデス。。

食べる側にしても、断面がピカピカの方が良いと思う人が多いかも。。

ゆっくり調理を出来る環境、または、その料理を理解して待ってくれる
お客さんが居る場合、思っている通りのスタンスで仕事が出来るかと、
思うのですが、中々現実的には難しいのが現状のような気がしています。

本来、それが理想で、そうしたい!!っと思う調理師さんも沢山居る
と思うのですが。。

道具として、その隙間を埋めるような庖丁を作りたいなぁ~とも思います。

コメントを頂いて庖丁の切れ味や抜け感覚で、料理に大きな影響を
与える事が出来る!っと強く感じました。 ありがとうございました。

このブログ、、プロの方々にもご覧頂きたいと思っていますが、
もっと裾野を広げて、料理好きな方にもご覧頂けたらと思っています。
このように現場のプロ的な意見を頂ける事は、違った方向への入り口
(刃物の迷宮?料理の奥深さ?)にも繋がると思いますので、、
また、コメント頂けると幸いです。


確かに

 確かに、料理業界と一口に言っても色々な業態がありますね。
また、料理好きの一般の方々も今はネットでの情報収集で、十年くらい前とは比較にならない位自分の知りたいことや欲しい道具が簡単に入手可能な時代になったと思います。
私ら料理人の要求ばかりでなく、そう言った人々の要望に応えて行くためには、本当に青木さんのご苦労は大変なものがあると思います。
 そこで、あくまでご参考になればと、普段考えている事を少々、最近の調理師学校出の若い衆をダシにして語ってみたいと思います。
 早い話、学校では役に立つ包丁の研ぎは教えていません。包丁の構造と鋼の関係なんて、こいつらは、高い授業料を親に払ってもらいながら何一つ知っちゃあおりません。こじゃれた創作料理ばかり教わって基本をないがしろにした教えしか受けておりません。程度のいいやつで、柴田書店の「包丁と砥石」を流し読みしたやつくらいです。この本は、教科書としては良質なもので、今でも絶版にならず書店にありますが、ただ内容の一部がもう古い。一番は、これに匹敵するくらいの本が他にないんですよ。(何やってんだ柴田書店、専門料理、最近内容薄いぞ。)
 もちろん、著者と言っていい永田さんのご尽力はすばらしいし、わたしもあの方の所の包丁は何本か所有しておりますが、いかんせん、あの方御自身が爪にかかる切れ味云々とか、研いだ包丁は熱湯かけろとか、ガス火であぶって水分飛ばせとか、おしゃっていることのニュアンスはわかるんですが、かなり包丁に優しくない方法を紹介されている。私はヘアドライヤーを冷風にして水分を飛ばしてますが、これで今まで錆びさせた包丁は一本もありません。
 話を元に戻しますと、今の若い衆は義務教育でも刃物を扱った経験がありませんから(何やってんだ文部省!)、そんな成り行きでプロの料理人を目指す連中自体が、新婚の奥さんレベルの研ぎレベルだと思って頂いてほぼ間違いないと思います。
もんの凄くわかりやすく更に表現するなら、研ぎは自分の仕事じゃなくて庖丁屋さんの仕事だと思っております、当たり前にね。すいません、ここまで書いてきて、コメカミの血管が怒りでぶち切れそうになって来ました。だけど、落ち着いて考えてみれば、こいつらが悪いわけじゃあないんですよね。私ら古い料理人も悪いんです。研ぎや庖丁使いは、はっきり言って感覚の世界です。だけど、もうそれじゃあダメなんですよね。何とか、言葉と数字とネットから得られる情報を駆使して分かり易くしてやらないといけないんですよね。こないだ、砥石メーカーのシャプトンさんのガラス砥石のpdf、これがとても参考になりました。
砥石の粒度と刃先の拡大写真が鮮明にのっかっておりました。これを、内の若い衆に見せて食いつきのいい庖丁を切れ味の良い庖丁と勘違いするなと、いつも言っていることを説明したらよく理解できたみたいですね。ただし、かわいげのねえお馴染みの野郎が、ではおやっさん実際にはどうやって もっとうまく研げるんですかみたいな事をすかさずつっこんできやがって、うるせいバカヤロ、てめえは青木さんのこのブログ百回繰り返して読みやがれっ、と大人気なく怒鳴り返してしまいました。
ああ、これだから江戸の土着珍獣民は進歩がねえんだとほんとやんなりますね。
 まとめますと、こいつらの給料安いのはかわいそうでもあり、しょうがない部分もあるのですが、それでも私は同じ種類の庖丁は二本持てと指導しています。一本は研ぎ潰そうが何をしようがとにかく研ぎの叩き台にしろと。もう一本はそれを参考にして大事に研げと。後はとにかく、自分や先輩の言うことばかりじゃなく青木さんの所から目え離すなと。だって、他にありませんよ、こんだけ親切に研ぎと庖丁のことを教えて頂けるブログなんて。
 乱筆乱文失礼しました、また来ます。


Re: 確かに

コメントありがとうございます。

そうですね、調理師学校では詳しい研ぎを教えてくれないように聞いています。
職人さん曰く、調理師学校の先生が??状態な事もあるようですが、料理人上がり
の先生が講師として教えている学校もあるので研ぎの重要性も伝えて下さっている
とも思います。

「包丁と砥石」はとても良く出来た本だと思います。
何も知らない所から刃物に入った場合でも、基礎を知る事が出来ると思います。
僕も、最初はこの本を読んで学びました。。これでの知識があって、職人さんと
深い話しが出来るようになったと思います。

刃付け方法や、庖丁保管方法などは色々あると思うので、良いと思う所だけ盗んで
自分は違う!!っと思う所は工夫していこうと考えたりしています。

庖丁研ぎや使い方に関しては、本当に感覚の世界です。
何ミリ研ぎます? 厚みは? 角度は何°? っと聞かれても答えられない。。。
特集でもブログでも、これを文章でなんとか感覚的に伝えたい!っと思っています。
でも、そうそう簡単に纏まらないので、更新できなかったりしているのですが・・・。

ありがたい事に、実践的な使用をされる調理師さん、庖丁を研ぎ出す職人さんからの意見
を聞かせて頂ける場所に居るので、色々と解ってくる事があります。。。

調理師さんが研ぎで悩んでいる事でも、職人さんに聞けば、「こうやで!」っと教えて
一発解決する事が多いです。 悩む前に、おかしな研ぎになる前に伝えれたら~~っと
考えている次第です。。。 「早く言ってくれればいいのに~~」ってな事が少ない
ようにしたい感じかもデス。

庖丁は、根本的には調理師さんの道具ですので、理想の料理を作る為に酔心の包丁
じゃなきゃ!!っと言って頂ける製品作りを続けれるように努力するばかりです。

ブログは行き当たりばったりで、更新したりしていますが、また色々と教えて頂ける
と嬉しく思います。 今後とも宜しくお願い致します。


数日前に皮引きについてコメントさせて頂いた者です。
今メインで使ってる相出刃は銀三の七寸五分ですが、刃渡りの切っ先から1/3を丸刃、残りの2/3を45°位に立てた段刃に仕上げてます。
丸刃はダメと言われそうですが、これが卸す時に良い仕事をするんです。

刃渡り全体を使って卸しますが、丸刃の「丸く」砥いだ部分が骨に当たって、身には刃が当たって骨がつかずに卸せます。
刃元の段刃は卸した魚の骨を叩いてコンパクトに捨てるためです。
もちろんこんな研ぎではすぐに刃は止まりますが、そこは腕でカバーです(笑)
直刃でも卸せなくは無いですが凄く時間がかかります。
仕事効率と砥ぎやすさを考えると、私はこうなりました。

  • 2012-07-23(13:41) : 
  • 名無し@仙台 URL : 

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。

おっしゃる研ぎと卸の事、良く解ります。
僕が習った師範からも、このように教わりました。

出刃の丸刃は、ご自身で理解して使う分には、全然アリだと思います!!

頂いた文面で、どのように卸をされているのか想像できました。
自分の庖丁使いに合わせて研ぎをされているように思います。

直刃だと、余計な所にサクサク入ったり骨の間に刃が入ってしまったりしますもんね。

営業っぽいですが、INOX本焼だとしつこく切れ続きます! 
また、出刃庖丁をお求めになる機会がありましたら、候補に入れて頂けると幸いです。
きっと、期待は裏切らないと思います。

また、コメントお待ちしています!

  • 2012-07-25(19:36) : 
  • TATSUYA AOKI URL :

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