職人の本刃付
出刃の裏スキの修理を受けました。
裏スキ修理とは、和庖丁裏側の比を再構築する作業です。
職人さんの工場にある回転水砥石で裏側だけをガ~っと削れば良いと思いがちですが、
これをやっちゃうと、大切な鋼(切る鋼)を削ってしまうので、後々悲惨な事に(鋼が薄く)
なっちゃいます。
正規の方法は、表からタガネを入れて庖丁全体に比を作って再研ぎを行う方法です。
これを行うためには、柄を抜いたり、表に入ったタガネ跡を消したりしないとダメなので・・・結果的に、新品同等の刃付け工賃(技術料)が必要になります。
職人視点で考えると、新品の方が研ぎ易いと思います・・・。
裏スキを依頼される調理師さんは、庖丁の特性を知っていて依頼される場合が多く、そうでなくても愛着あるから「もう少し使いたい!」と言う方でしょう~
裏スキ作業も難しいですが、キッチリ仕事出来ないと!!です。。
で、、今日その出刃が職人さんから上がってきました。
「すぐ使えるように本刃付けしといたよ~」って事で、職人さんがした本刃付け公開です。
刃先。。。薄く研ぎ上げてあるので、出刃にしては恐ろしい感じ(経験済み・・)ですが、
刃の伸び具合や、切刃の処理は素晴らしい!!
中砥の研ぎ目をしっかり残しているのもカスミッシモ的な発想からか?
手研ぎの跡がハッキリ見えるので、凹凸も無い!
もしかして。職人さん。このブログ見てます・・・?
「ここまでやれ!!」っと言う感じでしょうか (^~^;
霞ませ方もですが、切刃の仕上げ砥当て具合が数ミリだった。。
使用にはこれで問題無いんだと思う。。 でも僕は格好良く仕上げたい!!!!
兎にも角にも、良い研ぎを見せて頂いた。
この刃を柳刃に付けてみたい!そんな事を思いました。
- 2009-01-13