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神経が通る包丁

久しぶりのブログです。。 こんなに長い間書かなかった事は珍しい^^;
バタバタモード突入しています。 あと5つほど山を越えないと落ち着けません。

今日は、お昼からお客さんが包丁を受け取りに来られました。

修理の包丁と、最後の白疾風左用300mm柳刃の受け取りです。
小刃合わせなどを行いましたが、やはり恐ろしい包丁です。

お客さんと、包丁観について少しお話をしました。

調理道具の中で、包丁が一番調理師さんと密接な道具であると。
やはり、神経が包丁までビシ!っと通るような包丁は細かい仕事に
なればなるほど、必要になる。
柄に布を巻いたような感覚では、ビシっとした仕事は出来ない!

っとおっしゃってました。

僕は、毎日色々な包丁を触れる環境にあるので、修理なども含めて様々な包丁を
持ったり、研いだりしているわけですが、稀に「ん?」っと言う物もあります。

こればかりは感覚的な事なので、何がどう!って言えないのですが・・・。
妙に軽かったり、研ぎ汁の出方、カエリの出方、取れ方が違う、みたいな感じです。
持って、あれ?っと思ったら思っているような刃の掛かりや鋭さが出ない事が多い。
多分、早く切れ止むだろうな・・・っと想像してしまう。。

そんな包丁も、鋭く掛かる刃を付ける方法は見つけているので、修理と言う点では
合格ラインに達しているのかと思うのですが、、にっちもさっちも行かない場合もある。
これは、僕の力量の無さと思う次第です、、

ビシっとした包丁に必要な事がいくつかあります。
単純に柄を朴から黒檀に変える!!って事も一つありますが、包丁本体部分+中子部分
が基本的に重要になってきます。 

アタリハズレないのは本焼包丁で、包丁本体から中子まで一体になっている物が、
ビシっとなる場合が多いです。単に硬いだけで無く、芯に髪の毛のような細い中空部分が
中子から切っ先まで通っているような感じの包丁が、僕的には好きな感じです。

問題は、打ち刃物です。
打ち刃物の中子は軟鉄です。←いまさらですが。。

この軟鉄に鋼が付いているのが打ち刃物(霞や合わせとも呼ぶ)なのです。
なので実際、軟鉄が包丁の屋台骨になってきます。
この軟鉄を叩き締めないと、中子を通じて神経が刃先まで走りません。
もちろん、軟鉄である中子も叩き締めないとビシっときません。。。

よく包丁を弾いて高い音が出る包丁が硬くて良いと言われたりしますが、
音は別として、その弾いて手元に伝わってくる振動が大きいほど良いかも
知れないと感じてきました。(お店で突然包丁を弾いたら怒られるかもw)

つづく 

時差更新。。

包丁を叩いて鍛えると言いますが打ち刃物の場合、軟鉄を鍛えている包丁ほど
神経が通り易くなると確信しています。 感度は本焼には及びませんが。。。

切れとは関係無い中子部分まで鍛えた包丁は、調理師と刃をつなぐ意味で重要
であると思うこの頃です。。

中子と包丁バランスとは違った観点から記事にしてみました。

  • 2012-11-16

No title

研ぐ人、使う人、使われる包丁。3つがビシッと決まるようなことはまず無いとは思うんです。
よく研げました→切れすぎて怖い
なんてパターンが私の場合しょっちゅうあります。
その包丁の最大のポテンシャルを出したつもりでも、使う人にとって見れば過ぎたものだったり。微調整して、ようやっと「これだ」というものになったりします。
ある種の運だと、自分は半ば割りきっています。

出すぎたことを言ってしまったようで、なんだか申し訳ないんですが
生来の口下手なのでお許しをm(__)m

PS.
以前依頼した包丁ですが、最近ドタバタしてしまい年末年始も使う予定が入ってしまってます。なので来年の春前にそちらに送らせていただきたいと思っております。

  • 2012-11-17(17:37) : 
  • 狛犬 URL : 

No title

休みの日曜日!風邪ひいて見事なひきこもりでした。仕事中にだるくなるよりはいいのですがw
本日のブログは、以前メールでお伺いした「叩いた本焼は密度が高くなって響く」ことなのかな〜っと勘ぐってます。
やたらと響くうちの本焼は柳も薄刃も油焼なので「本焼は水しかありえん!」と仰る方にとっては外れもいいところ、なので良い本焼とは表現しませんw
いいんです、ペーペーにとってはこれくらいで。

今年はふぐの予約がこれと言って無く、ほとんどクエですが「ふぐ(免許)取れ〜、てっさ買え〜」と上に脅されています。

  • 2012-11-19(02:17) : 
  • LPBL URL : 

No title

先日は色々と有難うございました、よい品を頂けたと喜んでおります。

土井敬次郎氏作の白一鋼柳刃は酔心さん以外には無いのでしょうから・・本当に欲しいからとしても今後また手に入る品ではないと思うので・・特に左は(汗)

狛犬様のおっしゃる様に、切れすぎる包丁は技量が伴わないと過ぎた道具になると私も思います。自身の使い方(バランスと精進)は大事ですよね。

同時に申し上げた様に、よい作り手の道具にはそれ相応の可能性を秘めていると
思います。
富樫氏の白二・敬次郎氏の別打青二・疾風白一と柳包丁を所持しましたが、昨日其々の個性を実感させて頂きました。
白疾風は当分特別な日用になりそうです(笑)・・どの包丁も感謝をこめて使わせて頂きます。

  • 2012-11-20(00:45) : 
  • kazuya URL : 

Re: No title

コメントありがとうございます。

そうですね、切れないのはもちろんの事、切れ過ぎても逆に使いにくい包丁かも知れません。
使用方法などなど、自身に合った包丁のチューニングは必須ですね!
気に入った具合にチューニングした物が長く切れ続くのが一番の良い包丁だと感じています。

切れ味落ちても、プロの調理師さんはテクニックで切ってしまうのも目の当たりにします。
お店のカウンターに座れた時、または上田師範がテクニックで切ってる姿を見ると、なんとか
する技術(引き出し)を沢山持ってるなぁ〜っとw

包丁、ご都合の良い時にお送り下さいませ!

  • 2012-11-23(00:15) : 
  • TATSUYA AOKI URL : 

Re: No title

コメントありがとうございます。
仕事の出来る男は、休みの日に風邪を引く!っと昔の先輩が言ってました〜
もう回復されましたか? お体気を付けて下さい。

本焼のお話ですが、、結構色々密かに調べておりまして。。。
水でしか焼き入れ出来ない、白一と白二は別として青などは油焼で十分な切れが出そうです。
青鋼で水焼きはオーバークオリティなのかも知れません。。
世の中のほとんどの青鋼が油での本焼だったりするような事を耳にしました。
長く切れるならば、青で油は最強ですねw 油で焼いても全然甘く無いし!

今シーズン、僕は上田師範特製フグを食べました!!
やっぱり旨いですわ〜〜  クエも良いですね〜〜

大阪はフグの免許取り易いようです。。 
上田師範が居るのだから、取得してみようかとも思った事があるのです。

  • 2012-11-23(00:27) : 
  • TATSUYA AOKI URL : 

Re: No title

コメントありがとうございます。

白疾風、Kazuyaさんの元に嫁げて良かったです。 少し寂しかったですけど、、w
お役に立てると幸いです!

そうですね、狛犬さんのおっしゃる様にだと思います。
どうしても包丁屋目線になりがちで、もっと切れるように切れるように!!!っと思ってしまいます。
僕も、魚を捌きますが研ぎ立てのピリピリ刃だと余計な所を切ってしまったり包丁が走ってしまったり、
イタリア帰還のH団長は、ピリピリで捌く!っと言ってました、骨の構造が解ってれば大丈夫だそうで。。

狙った所をスパっと行ける技術が無いと、余計に使いにくい包丁になってしまいそうです。

土井敬次郎氏に先日工場で会いました。(稀に工場に入ってマス。)
本当に、調理師さんの事だけを考えて製造していますね。

「板前さんがね、使い易くて、砥石乗りが良くて、長く切れる包丁を作りたい!」
これは、ずっと言い続けています。 鍛冶屋の位置からは、板前さんからダイレクトな
情報が入ってこないので、自分のしている仕事が良い事になると信じて頑張ってきたように思います。

富樫さんも、それなりの信念を持って包丁作りをされてます。

職人さんが思っている事が、ちゃんと包丁に反映されているので、個性豊かな包丁達を所持頂いて
いるかと思います。 また、色々と情報を頂けると幸いです。

今後とも、よろしくお願い致します。

  • 2012-11-23(00:42) : 
  • TATSUYA AOKI URL : 

No title

いいですね!!

  • 2012-11-23(18:24) : 
  • 山口孝志 天下無双

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