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刃先よりも刃を!

久しぶりに家庭用の割り込み包丁を研いだ。
要望はトマトがスパスパ切れるようにして欲しいとの事(^^)b

午前中時間があったので研いでみた。
単純に切れるようにするなら、小さい欠けを取ってしまえば簡単!
こんなのは機械を使えば表裏で20秒もあれば完了する。

立てて研げば刃なんてスグ付く!!

包丁研ぎが難しいと言われるのは、この部分が難しいのではなく
刃自体を調節する事を言うのかも知れない。

簡単に言えば刃先以外の刃(ブレード)の形状を整える事が難しい。

そもそも家庭用の包丁は、刃先が立てて刃を付けてるので強度が
あるが、切れなくなった時その切れ味を復活させるのに苦労する。

簡易研ぎ機などがあるが、これは刃先を触ってるだけなのでその場
しのぎの研ぎ機なわけで・・・。

新品の状態に戻す?新品よりも切れるようにするには、最初に立てて
研いである段刃を完全になくしてやる事が重要だ!

これをしようと思うと、刃(ブレード)を砥ぐ事になる。
実際に物を切る部分以外を砥ぐので、一瞬意味無し・・な気分になる
けれど、これをすると見違えるように刃の通りが良くなり鋭くした刃先
が生きてくる。 抵抗無く切れて行く感じを味わえる!

トマトをスパスパ・・・っとなると、刃先の掛かりも重要だけど、
抜けも重要!摩擦との戦いでもある。

それを考えると、単にブレードを薄くするだけでは張り付く・・・。
ここでハマグリを少し入れてやる!ってな具合に成型していく。

これが出来て初めて刃先から2mm~3mmを仕上げ砥なんかで研いで
刃先を薄く伸ばして上げる。

この状態で、和包丁のように鋭い切れ味が出るけれど、、、使用場所、
使用者が家庭の奥様なんで・・糸引きを入れて小さい段刃を付ける。

この時、「折角伸ばした刃先を殺すのか~~」っとセンチメンタルな
気分になるけど、欠けてしまう刃よりも強い刃を選択する!

厳密に言えば良くないのかも知れないが、ブレードの成型をきっちり
しているので、段刃を感じないほどの切れ込みを発揮してくれる。

この辺が出来るか出来ないかで研ぎの品質?ん~レベルが大きく変わるのかも知れない。

今夜、研いだ包丁を配達に行く!

後日、どんな感想が返ってくるか楽しみだ!
今出来る事は、全部注ぎ込んで研いだ。

切れる事に関しては満足の行く仕上がりだが、それがどれだけ維持出来るのか?

2007-04-25

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