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鍛冶屋、匠の瞬間。。

今日は仕事が終わる寸前に富樫さんが会社に来られた。
ちょっと聞きたい事があったので、色々話し込んでいたら

鍛冶屋としての経験を積む事や焼き入れの話しになった。

富樫さんは出刃製作の名手である。
何回か言ってきたが、繊細な白二鋼Aで綺麗に焼を入れる事は難しい。
綺麗に焼を入れるのがどれだけ難しく、経験が必要なのかと言う話しだ!

水の中に赤めた包丁を0.5秒単位で潜り抜けさせる瞬間を見極める事が重要で、遅くても早くてもダメ、適温になった瞬間を見逃さず、新鮮で冷たい
水の中を素早く泳がせる事で、綺麗に焼が入るらしい。

土井さんの工場で何回も焼き入れを見せてもらっているが、焼入れの時は
緊張感と言うか、物凄いオーラが出ている。 金縛り状態だろうか!
何回も写真を撮りに行くが、10本焼き入れを撮ろうとして綺麗に
取れるのは数本の写真だけ・・いつもシャッターが遅れる。

さぁ~水の中へ!っと思ったら入れないで・・妙なタイミングで水に入れる。
「包丁に命を宿す瞬間」を鍛冶屋は知っている。

貴方の持っている包丁も、確実にこの瞬間を経て包丁になったと思う。

日々修行 2006-12-05

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