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豚バラ肉と牛刀と柳刃

前回の続きです。

満腹ご満悦の僕に師範から、「達哉君ちょっと! はい、切ってみ~」

てな感じで、豚バラ肉登場デス。

鋼材違いの、寸法違いの庖丁で試し切り開始です。

当然ですが、研いである庖丁ですので切れます。
切れるんですが、切れ込み方がもどかしい。。。

肉が脂によりブレードに張り付いて、肉を引っ張っていきます。
切るつもりで切らないと?一刀両断ができません。
ギコギコ切るか、押し込みながら(押さえつけながら)刃を動かすしか無い。

牛刀のブレード(刃先以外)をあれこれ研ぎ上げたとしても、脂っぽい肉では
張り付きと言う点で対抗できません。。たぶん。

肉以外の食材(野菜や肉でも赤身)だと、また違ってくるのかと思いましたが、
脂っぽい。脂で切れなくなる、切れ辛くなると言うのを体感しました。

ただ、唯一庖丁の重みがある方が切り易かった。
ドン!ズバスバっと言う感じ。 薄くて重めの牛刀となれば、9寸ぐらいの
寸法が、マッチするように思いました。食肉加工の工場で庖丁を納品して
おりますが、270とか300とかばっかりなのも納得!切る物が大きいと言う
点もあると思いますが。。。

そりゃ~スチール棒でシャキシャキやりたくなるわ~~

で、

単にそれで終わっては、牛刀で肉を切って感じると言うだけの事になってしまう
のですが、師範から、「この銀三鋼の柳刃で切ってみ!」っと

なんとゆう事でしょう。←ビフォーアフター風に読んで下さい。

脂による張り付きが極めて少なく、切れ込みが凄い!
肉が引っ張られる事なく切れます。 当然、柳刃なので引き切りです。

柳刃・・押して切ったらイマイチでした、でも引いて切ったら抜群です。
じゃあ牛刀の引いたら切れるんちゃうの? っと思われる方が居られ
ると思うのですが、牛刀は押しても引いても張り付きと言う点で、
抵抗が凄かったです。 牛刀のバランスからして、押す切り方の方が切れました。

そんなに切れる柳刃でも、やっぱり脂が巻くと切れ味は落ちてきます。
それを見た師範が、庖丁を洗剤で洗浄! そして切ってみると切れ味復活。

柳刃の方が良く切れるから、柳刃を使いましょう!!
って軽々しく言ってみたい気分ですが、総合的に考えると、牛刀の方が良さそうです。
柳刃繊細過ぎるし、片刃なのは、長い距離を切る場合は切る技術を要求されそう。

牛刀でも、もっと切れる何かがあるのかも知れませんが、初体験としては、かなり
印象に残る、ハッキリとした感覚を味わう事が出来ました。

そして、柳刃(片刃)の凄さを改めて実感しました。

いつもながら僕の為に肉を用意して頂いた師範には感謝です。
そして、切れ味テストで厚みバラバラに切ったお肉を、賄いとして美味しそうに
食べてくれるお姉さんに感謝です。。←調理は師範なので、何とか美味しく仕上げて
くださる師範に感謝です!

  • 2010-11-19

貴重な体験をされましたね

 体験されたように、豚の脂は融点が低く、特に脂の多い三枚肉は10~20kg捌く場合は途中で包丁を何度か洗わなければ危険ですね。
洗浄をめんどうくさがって力まかせに捌いていると、刃先が滑って大怪我をする場合があります。

 私の所は和食ですから、豚三枚肉は角煮専用ですね。ただ、宴会料理で使う場合、量がけっこうな目方になりますし、チャリ棒はうちでは使いませんから、洋出刃を2~3本用意して途中で換えるか洗浄するかになりますね。
感じられたように、この手の肉の捌きには尺前後の刃渡りと多少ズシッと来る重さの牛刀が必要です。
 後、以前にコメントしたこともあるかと思いますが、大量に捌く場合は肉を解凍し過ぎないことです。生肉ならば、逆に冷凍かけて脂を適度な固さにしてから捌いたりもしますね。いずれの処置も、しつこい獣肉の脂の液化から「包丁の切れ味を守る」ためです。
 今回の写真を見ると、この三枚肉はすでに柵取りされた常温のもののようですが、これならば引き切りの方がやり易いでしょうね。
銀三鋼の柳ばかりでなく、白鋼や青鋼の柳でもいけると思いますよ。ただ、魚ばかりでなく、肉の柵にも「山向こうは引き切り」、「山手前は押し切り」という基本は当てはまると思います。一度試されて下さい。

 あくまで個人的な感想を述べました。西洋料理や中華料理のプロの方々から見れば失笑もののコメントかも知れませんが、一和食屋の爺の妄言として見逃して下さい。

 河豚天丼、美味しそうだなあ………


No title

豚バラは出刃で切っとったで・・・いや、絶対出刃やろ・・・
角煮するときなぁ・・・今度やってみぃや

  • 2010-11-20(10:52) : 
  • 団長 URL : 

Re: 貴重な体験をされましたね

コメントありがとうございます。

そうですね、庖丁を洗ってリセットする事でより効率良く作業が出来るように思いました。
ハッキリと切れ味に差が出ました。切れ味が落ちて力まかせに切りに行くと危険なのも良く
解ります。←別件で経験済みデス。

肉を冷やして脂の硬さ調節をするのも切る事のテクニックの一つだと感じました。
しっかり解凍しなければ、刃を痛めてしまうけれど、解凍し過ぎない。
色々な事を解っているからこその事だと思います。。

引き切りや押し切りに関しても、心に留めて次回挑戦したいと思います。

また、色々な事をお教え頂けると幸いです。

  • 2010-11-24(21:09) : 
  • TATSUYA AOKI URL : 

Re: No title

団長、コメントありがとうございます。

やっぱ出刃ですか!! 出刃でも切ってみましたが!
切れ込みは柳刃の方がエエ感じでした。。

でも、バシバシの柳刃で脂っぽい豚バラを切るのは気持ち的に
抵抗がありますね(苦笑)

蛤が多めだったのかもデス。。詰まる感じが・・・

でも、肉は魚より切り口に猶予があるように思いました。

  • 2010-11-24(21:16) : 
  • TATSUYA AOKI URL : 

No title

豚バラ、主に角煮用、出刃でズバァ~っと早くぶった切って終わらして、
次の仕事に移りたい!もしくは早く切って煮方のおっさんに
回さんと怖い・・・出刃は角度がきついからくっついてきにくいし
ガンガンいけると思うけどなぁ・・・まぁたまに横に置いてる
タオルでちゃっと拭く程度やなぁ。俺、強引やからなぁ・・・(笑)

  • 2010-11-25(09:35) : 
  • 団長 URL : 

Re: No title

昨日、出刃で再び豚バラを切りました!

角煮用に分厚く切るなら出刃でも問題無さそうですね!
まさに!ぶった切る~と言う表現がよく似合うパワフルカットに感じました。

僕は、薄く切ろうとしてましたわ。。


片刃がポイントですか?

ブログちょこちょこ見ながら勉強させて頂いております。
まだまだ駆け出しの料理人(洋食)です。
現在は杉本の片刃の牛刀(21cm)を使っており、今回もう少し長いものを・・・を
思い悩んでいるところにこの記事を見つけ、柳刃っていうのもあるんだなぁと驚き半分、納得半分です。

ちなみに、片刃の牛刀だとまたちょっと話が違う気がします、個人的には。
機会があれば完全に片刃に研いだ牛刀で試してみてくださいませ。

あまり意味のないコメントで失礼いたしました。

  • 2011-08-10(18:34) : 
  • Toru URL : 

Re: 片刃がポイントですか?

コメントありがとうございます。

牛刀と柳刃での切れ込み差は、片刃がポイントだと思います。

柳刃は、裏側に窪み(裏の比)があるので、貼り付き抵抗が無いのも
ズバズバ切れ込んだ要因かも知れません。

牛刀ならディンプル付きなどは、貼り付きによる抵抗を減らすための工夫ですね!

完全ではありませんが、9:1の比率で片刃にしてみた事があります。
刻み物などは、良く切れ込んだ印象がありました。。
裏をベタ押しするほど、片刃にした10:0の牛刀も修理で研いだ事がありますが、
確かに、メチャクチャエッジが立ったのを覚えています。

10:0の牛刀で食材を切った事が無いので、機会があれば試してみようと思います。

  • 2011-08-11(11:19) : 
  • TATSUYA AOKI URL : 

No title

洋包丁や中華や色んな刃物を和包丁の材料で作るとずっと良く切れます。
その時裏のすきはなるべく平面に近くするのがコツです。
薄く作るので表は平を広くとり切刃は鋼が使用に耐える角度をみつけ、やはり元から先まで平らにして砥ぐ時、包丁と砥石がピタりとすいつきます。霞作りです。表10裏0の砥ぎです。
和包丁の薄刃やたこ引柳刃の包丁でもちゃんと良く切れます。
外国の方への包丁はそのほうが刃がピーキーでデリケートなものより良いと思います。
世界中の和包丁ファンが出来ると思います

  • 2011-08-13(07:46) : 
  • n-tokita URL : 

Re: No title

コメントありがとうございます。
内容を理解するのに時間が掛かりました(^^;

和包丁の材料で、和包丁と一緒の製造方法で造れば、良く長く切れる包丁が造れると思います。
裏スキは、平面に近くすると食材との張り付きが気になるのが包丁屋的な想像ですが、裏スキ
が少ない方が、刃は強くなるように思います。

酔心椛などの完全片刃の舟行型は外国の方に支持されています。

完全に洋包丁を目指した形で、完全片刃の物を造ると良いかも知れませんね^^
和包丁造りは、叩いて鍛えるので鎚の跡を如何に消すかが問題かも知れません。。
一度、そんな事を考えた事もあるんですが、、、再度思考錯誤してみようと思います。

  • 2011-08-19(01:30) : 
  • TATSUYA AOKI 

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