帰国
私が海外に行ってたわけではなく、、庖丁が海外から修理で帰ってきました。
柄交換+研ぎ直しによる帰国だったわけですが、その庖丁の刃付けを見て驚愕!
極薄に研がれた刃が、アルミホイルのようにヒラヒラと。。。。
そしてツル首仕様に変形。。 シノギ筋は存在していたので、修復の余地あり!
って事で、研ぎ修理に取りかかりました。
ツル首を直すと言う事は、切っ先アールの復元作業でもあって、切っ先1寸を捨てる
覚悟でゴリ研ぎせねばなりません、、極力短くならないように整形しました。
極薄に研がれた刃も、刃先を薄くするのでは無く抜けを良くする方向へ研ぎ直し。
刃先では無く、切刃の中をしっかり研ぐ意識で強い刃先、抜けの良い切刃を施工。
実際はナチュラルハマグリになっているのですが、気持ち的には切刃の中に裏比が
ある意識で研ぎ抜きました。
薄さで切るのではなく、刃の掛かりと抜けで切るイメージです。
こんな風に研いで欲しい!!ってのを庖丁で研ぎ出してみました。
言葉が通じなくても、切った時に感じる事があれば良いのですが。。。
本当なら、ツル首にならないように、基本的な構造から研ぎ直す事が出来れば良かった
のですが、それは僕には出来ないので、とりあえず現状で出来る修理を施しました。
和食は、世界各地で人気がありますが、主にレシピなどが主流で道具の使い方までは
浸透していないように感じています。 世界で一番切れる調理道具としての和庖丁の
ポテンシャルを広げる事が出来れば良いのですが、一個人では中々難しい。。。
結果的に、その料理が出来れば道具をしての役割は果たした事になるのでしょうね。。
包丁屋だから、そんな事を思うのか。。。
- 2012-05-28